(2007/12/19)
クリップあとふたふんばりほど。ガンバレおれ!
前回のつづき。
浜学園には名張から上本町まで1時間電車に乗って通っていたのだけど、 同じ塾に通ってる榛原から乗ってきて、行きも帰りもいつも俺と同じ電車で、お互い顔は知っていたけど クラスは違うし喋ったことがなかったけど、あるときなぜかどっちからというわけでもなく話しかけて 仲良くなった奴がいた。二宮という名前だった。
二宮とは行きも帰りも電車が一緒だったので自然とかなり仲良くなって、 帰りの電車とかではいつも遊んでいた。もう一人五位堂のやつと三人で、電車の中でカップラーメンを食べ、チェリオのジュースを飲み、 二宮はいつも水筒を持ってたのでそれを取り上げてダッシュで逃げて隠したり、 二宮は榛原で降りるとき絶対にホームの階段の一番近いドアから誰よりも先に出たいから 榛原駅に着く5分くらい前からそのドアの前を陣取って動かないので、 ある日いつものようにドアの前に陣取った二宮に唾をベローンってつけて少し離れたら、 二宮は仕返ししたいけど陣取ってるからその場を離れられへんくてどうしようもなくなって、 「お前今度堅い鉄棒で殴るからな!」と言った。
二宮はたまに「ぼくはお母さんのつくるさくらでんぶと錦糸卵のお弁当が一番好きだな。」という 全く意味の分からない変な物まねをする変わったやつだったのだが、 ちなみに二宮のお母さんもちょっと変なヤツで、たまたま二宮がお母さんと一緒に電車に乗って 俺の隣の席に座ってきて、しばらくしたら、そのお母んがカバンからおもむろにライチを出し、 二宮と二人で食い始めた。お母んは俺にも一個勧めてくれて、食べていると、 お母んは二宮の好きな食べ物の話をしてきた。「この子はライチが大好きなのよ。」 俺は若干とまどいつつも「へぇー」と聞いていたら、延々と自分の息子の好物について俺に話し始めたのだった。
またあるとき、いつものように塾からの帰り、いつもの21:20発の快速急行にのっていると、 (俺はそのころはお父んも上本町に事務所があったので大体毎回一緒に帰っていた) どっかの駅で人身事故があって、電車が榛原でストップしたことがあった。 ほんで榛原で降りるはめになったんやけど、近鉄が榛原から臨時バスを出すということでそれを待つことになったのだが、 待ち時間は1時間とか。 そこに、二宮とそのお母んが現れて、なんと、「もしなんでしたら車で名張まで送りましょうか?」と言ってくれたのだ。 俺とおとんはその好意に甘えることにした。 が、車を走らせて10分くらいすると急に二宮のババァが、 「道中暗いし知らない道は怖いわぁ・・」とかなんだかんだもう送ってあげるの嫌や的なグチを言い始めたのだ。 その瞬間にお父んが 「あ、ほないいですわここで降ろしてください」と言って、 榛原らへんのわけわからんとこで降りることになった。
真冬で寒い中、真っ暗な道端で俺とおとんは 公衆電話を探してお母んに電話して迎えに来てもらった。 車を待っている間に臨時バスは何台も通り過ぎていき、駅で待っていればそれに乗って帰れてたのに、 二宮のババァの中途半端な親切のおかげで…。 なにより、おとんが「ほな降ろしてください」と言ったときの二宮のババァのあの 「あ、いいんですかすいませんねぇ」ってめっちゃほっとしたような、うれしそうな、ラッキー!みたいな顔が、 俺とおとんをとても嫌な気持ちにさせた。
その後 俺は清風中学を受験し、ちなみにヤツは明星中学を受験したらしいが、 ともかく入試が終われば、塾に行く必要もなくなり、二宮とも会うこともなくなった。 俺は試験に合格し、晴れて新たなステップを歩み始めたのだ。
しかし俺と二宮の縁は完全に切れたわけではなかった。
つづく
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2007年12月19日水曜日
透明コーラ2
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